大耳小耳

ニッケイ新聞 2012年2月4日付け

 後藤さんは毎年、パラナ州の百歳表彰で「寿」と描いた作品を受賞者に贈っている。今回の展示会は、昨年山口登総領事から「作品を観たい」との申し出を受けたことから、多くの人が集まる総会の日を初日に、開催が決定した。作品には日ポ両語で説明が付けられ、総会の出席者は一つひとつじっくりと絵画に見入っていた。
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 本欄で紹介している刊行物『魔境』(平島征也著)。ジャングルで生活した際の経験が事細かに書かれており、ユーモア精神あふれる文章で読み易い。関心のある人であれば、是非手に取りたいところだろう。平島氏の手元にもないようで、日本から送ってもらうか日系書店に注文するしかない。書籍販売サイトのアマゾンで検索すると、2800円の定価はもちろんだが、中古品に8700円!の値がついており、ちょっとビックリ。
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 本日6面のパラグアイ事情(坂本邦雄さん)と、ブラジル社会面(2面)のパ国土地なし農民記事は関連している。隣国とはいえパラナ州のすぐ向こう。昨年9月に連載したイグアス移住地は、この土地なし農民運動のど真ん中に位置するだけに他人事ではない。昨年報じたイグアス移住地への土地なし農民侵入の記事は、亜国や米国ハワイ、ボリビアの提携紙でも転載され、日本のニュースサイトからも転載の要望があったほど注目された。このように在外邦人の眼を通して世界を読み解くと、一風違ったものがあるようだ。