長崎県人会=活動の正常化を強く宣言=川添会長の続投が決まる=9月に50周年式典挙行=母県も特別助成で後押し

ニッケイ新聞 2012年2月11日付け

 「明けない夜はない」——。先月29日にあった長崎県人会の総会で続投が決まった川添博会長は、08年末の会計不祥事に端を発した一連の騒動に、一応の区切りがついたことを宣言した。昨年度会計では約9万レアルの黒字を計上、9月の中村法道知事を招いた『会創立50周年式典』開催に向け、会員一丸となることを呼びかけた。「ようやく活動が正常化する」と出席した約30人の会員らと共に胸を撫で下ろした。

 元会計理事らの横領問題発覚後、会の銀行口座残金はわずか1600レ。09年には県の補助金も一時止まり、婦人会は解散、会の存続自体も危ぶまれた。
 役員らが赤字や活動費を自費で賄う状態が続くなか、会館の貸し出しを決定、リベルダーデ区に事務所を移し、態勢の建て直しを図った。
 10年末から貸出しを始めた家賃収入が約8万に上ったこともあり、昨年度の収入は約17万2千レ、9万1千レを繰越す黒字会計を報告した。
 本年度事業計画では、「創立50周年式典」を9月2日に開催をすることを決議。記念誌作成のほか、中村法道知事ら慶祝団の出席が決まった。
 本年度予算は、50周年事業費12万レを含む27万9千レを計上。母県からは例年の補助金1万5千レに加え、特別助成金が5万7千レ。母県からの強い後押しを受けた格好だ。
 横領問題に関して、除名処分となった中野恵市元会長、今井千兼子元会計理事らを相手取った民事裁判は、昨年5月に第一審で勝訴。しかし、相手側の控訴で第二審へと進んでいる状況が説明された。
 川添会長は「皆さんの参加が大切です。50周年を盛り上げましょう」と会長就任あいさつ、今後一層の積極的な協力を呼びかけた。
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 【会長】川添博【副会長】第1=栗崎邦彦、第2=大河正夫【会計】第1=森繁親、第2=大河ファッチマ【監査】高木政親、丹生登、山下広(任期2年、敬称略)。