魁聖が6年ぶりの帰国=祖母正子さん「日本語で話したい」=後輩らに魁心と稽古も

ニッケイ新聞 2012年2月14日付け

 サンパウロ市出身の幕内力士・魁聖(菅野リカルド、26)=友綱部屋=が18日に急きょ帰国することが決まった。2006年の入門以来初、6年ぶりに母国の土を踏むことになる。先月から体調を崩して入院している祖母正子さん(80、愛知)のお見舞いが主な理由だが、19日には合同練習とシュラスコも予定されており、コロニアとの交流も行われる。パラー州出身で1月場所を最後に引退した同部屋の魁心(25)が同行し、24日にはブラジルを発つ。

 昨年の5月場所で怒涛の9連勝を果たし敢闘賞を獲得したが、1月場所では5勝10敗、前頭16枚目に。場所終了ごとに来伯の可能性がささやかれていたが、負け越しが続き「凱旋」とならないため、帰国も先延ばしになっていた。
 「祖母の健康状態が悪化したことで、友綱部屋の親方から許可が出たようです」と父ルイスさんは明かす。20日から帰国までの4日間を過ごす家族も6年ぶりの再会を待ちわびている。
 祖母正子さんは現在サンパウロ市内の病院に入院中。1月中旬頃に腸の手術を終え、現在は普通の食事ができるまで回復した。
 順調にいけば魁聖の滞伯中にも退院する予定で「早く会いたい。リカルドと日本語で話が出来るのが楽しみ。病気になり、応援される側になってしまったけれど、私からも元気付けたい」と笑顔を見せる。
 19日にはブラジル相撲連盟(篭原功会長)の主催で、午前9時からサンパウロ市ボンレチーロ区の常設土俵場(Avenida Castelo Branco, 5446)で、魁聖と魁心を迎えての稽古を行う。
 各支部の幼年から青年達約200人が集まって稽古、魁聖らが土俵で子供達に胸をかす。正午頃から歓迎シュラスコも予定する。
 篭原会長は「魁聖を見たい、応援の言葉を直接届けたいという人はぜひ足を運んで欲しい」と広く参加を呼びかけている。希望者は籠原(11・5522・0950)まで。