東西南北

ニッケイ新聞 2012年4月18日付け

 大統領府の倫理委員会が16日、イデリ・サウヴァッチ政治調整担当長官を巡る調査を始める事を決めた。同長官がサンタカタリーナ州知事選に立候補した2010年に労働者党に15万レアルを献金したIntech社は、2009年に水産省と巡視艇28隻の売買契約を結んでおり、代金の一部は、イデリ氏が水産相を務めていた2011年に支払われた。水産相時代のイデリ氏は、非政府団体と養殖事業の契約を結んだが、実際には何の事業も進展していないなどの報道もあり、調査の結果次第で、3月末のエスタード紙報道で浮上してきた汚職疑惑を追及するか否かが決まる。ジウマ大統領の右腕と称されるフェルナンド・ピメンテル商工開発相も、大臣就任前のコンサルタント会社の事業契約などを巡る疑惑について、倫理委で説明するよう再度求められているなど、大統領周辺ではまたきな臭い匂いが漂い始めた。
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 国際通貨基金(IMF)が17日に発表した最新の世界経済見通しによると、ブラジルの国内総生産(GDP)は2012年に英国に再び抜かれ、世界第7位に後退する見込みという。IMFによると経済成長そのものはブラジルが3%、英国が0・7%の上昇になる見込みだが、レアルの為替変動の関係で米ドル換算した場合に逆転するという。英国を抜いたことはブラジル経済には大きなニュースだっただけに少し残念。