ニッケイ法律相談=その21=回答者 古賀アデマール弁護士

ニッケイ新聞 2012年4月19日付け

 質問=ある品物を購入したのですが、代金の半分はその場で払い、残り半分は30日後に支払うことになりました。30日過ぎてしまったので罰金を支払えと言われたのですが、どうすればよいでしょうか。
 回答=まず、手形などを確認して支払期日が記載されているかを確認し、記載されていたらその期日までに支払う必要があります。
 ただし、明確な期日が書かれておらず「30日後」、または「1カ月後」と書いてあった場合は注意が必要です。
 「30日後」であれば文字通り30日後、例えば3月1日に購入した場合支払期限は3月31日ですが、「1カ月後」であれば、翌月の同じ日、つまり4月1日になります。
 まずはそれを確認し、期限が過ぎていたら罰金を支払うほかないでしょう。
     ◎
 質問=小さな金額の問題で法律相談をしたいのですが、無料で相談を受け付けてくれる弁護士事務所はあるでしょうか。
 回答=弁護士は、無料あるいは通常料金よりも特別に安い値段で法律相談を受けてはいけないと法律で決まっています。また、弁護士業は商売ではないので、宣伝物も作ってはいけないのです。
 料金の相場は法律事務所によって異なりますが、1回につき最低180レアル程度と弁護士法で決まっています。
 ただ、料金を支払えない人のために、defensoria publicaという州政府の機関があり、ここでは無料で相談を受け付けてくれます。ただし経済力がないことを証明するような書類が必要です。
 サンパウロには、リベルダーデに1カ所あります(住所=Av.liberdade, 32、電話=11・3105・5799)。ただし、予約してから実際相談できるまで、数カ月待たされるのが通常です。
     ◎
 質問=前に住んでいたアパートで犬を飼っていましたが、引越し先のsindico(管理人)にダメだと言われました。本当に無理なのでしょうか。
 回答=憲法では人間の自由が保障されていますが、そのために他人に迷惑をかけることはいかなる場合も禁じられています。
 Condominio(共同所有物)について定めた法律で、アパートでペットを飼うことは禁じられていませんので、Sindicoがそれを禁じることはできません。
 ただし家を借りる場合などで、「ペットを飼ってはいけない」というルールが決まっていて、それで借家契約書にサインした場合には当然飼うことはできません。

質問の送り先はEメール(ademarkoga@gmail.com)、FAX(11・3208・0733)、手紙(「ニッケイ法律相談」係、Rua Galvao Bueno, 470, 1o. andar, Liberdade, Sao Paulo, SP CEP 01506-000)まで。質問は日本語でもポ語でも可、ただしメールの場合はポ語のみ。質問内容をできるだけ明確にしてお寄せください。