コラム 樹海

ニッケイ新聞 2012年5月12日付け

 7月の県連主催「日本祭り」では様々なイベントが楽しめるが、やはり郷土料理コーナーが楽しい。食べるのはもちろんのこと、老若男女が汗をかきながら奮闘している姿は微笑ましい。元気な声を張り上げる青年会の面々を見るたび、県人会の将来に希望を繋ぎたくなる▼そろそろみなさん本腰を入れ始める時期。ほぼ全会が出店する。そのなかで〃苦渋〃の決断をしたのはブラジル京都会だ。もちろん出る方だが、杉山エレーナ会長をはじめ高齢の会員らが頭を悩ませている(本紙11日付け詳報)▼というのも人材がいないのだ。婦人会も青年部もなく、昨年は会員らが友人、知人らに手伝いをお願いして何とか乗り切ったという。そうした好意に毎年甘えるわけにはいかないだろう。先月29日にあった総会でも参加の要否が主な議題となったようだ▼やめようにもやめられない。なぜなら同祭での収入が年間収入の半分を占めるからだ。つまり、非参加は会の停滞を意味し致命打を与える。「(会は)あってないようなもの」という古参会員の言葉が悲しい。県費留学・研修生OBは40数人いるという。総会は創立60周年を兼ねたが、参加したのはわずか一人▼連休ともあってしょうがないともいえそうだが、何ともやるせない。同様の思いを抱く会長も多いだろう。杉山会長は「手紙で協力を呼びかけたい」としているが、願いは届くだろうか。苦しい運営が続きそうだが、何とかいい解決策を見出して欲しいと思う。毎年2千本は売れるという炭火で焼いた人気の「みたらし団子」も楽しみ続けたいものだ。(剛)