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明治神宮春の大祭・奉祝献詠短歌大会=ブラジルから特選二人

ニッケイ新聞 2012年5月23日付け

 明治神宮で4月29日から5日間開催された「春の大祭」で『奉祝献詠短歌大会』が行なわれ、ブラジルから4人が受賞した。今回は初めて二人が特選に輝いた。
 特選を受賞した富岡絹子さん(岡山、68)=サンカルロス在住=は星野瞳さんや富重久子さんに師事し、ニッケイ俳壇で活躍する俳句愛好家。「短歌は時々作っているけど、まだ先生にもついていない」。同短歌大会には初めて応募した。
 「満州に生まれ、終戦後日本に引き上げて育ち、成人してブラジルに来た。人生の最後はここで迎えると思うけど、日本での思い出が強く残っている。いい国で育ったなという気持ちを詠んだ」と話した。受賞作品は次の通り。
【特選】
 肌さむき風にむかいてさくら咲く掌にひとひらの祖国の春(小濃芳子)
 満州に生まれ南米に果つるとも育ちし国は大和まほろば(富岡絹子)
【入選】
 タラップを降りればなつかし祖国なれど逢ひたき父母はそこにおはさず(中島すず子)
【佳作】
 遠く来て川のせせらぎ聞きてをり夢に流るる故の川(川上美枝)

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