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「竹の産業化」プロジェクト=ラーモス移住地で講演会=利用開発で地域活性化を

 日系のラーモス移住地があるサンタ・カタリーナ州フレイ・ロジェリオ市役所で16、17の両日、「竹の産業化プロジェクト」の講演会が同市役所で行われた。
 同移住地の本多文男氏による発案で、竹の植え付けから加工販売に至るまでのプロジェクトが紹介された。初日は市議、事業家、地域リーダー、農業技師ら50人、翌日は120人以上が参加、地域発展を目指した産業形成に結びつくものとして大きな関心を呼んだ。
 同市には日本人移住者が持ち込んだ約50ヘクタールの成竹林があるものの、竹林所有の農家で自家用の農業資材としてはほんの一部しか使用されず、その利用開発が待たれていた。
 プロジェクトは10年の長期計画で、トマトやピーマン、果実など天候に左右されやすい作物の栽培を側面から強化することが目的。数年後には家具工場の誘致も視野に入れる。
 竹は再生可能な植物で、無肥料、無農薬栽培が可能。水資源の保全や土壌の流失防止にも力を発揮するという。
 講演したのは同州北部のサンベント・ド・スール市在住で竹の植栽を行う事業家のカルロス・フェルナンド・ベッケル氏。7年前から本多氏に竹苗の植え付けや管理を学び、独自に研究をはじめた。
 その結果、竹を腐食する害虫や細菌を人畜に無害な方法で除去する技術を確立し、パラナ州在住のデザイナーで家具工場を営む人の協力を得て講演会開催が実現した。
 本多氏は今後の課題として「早急に組合を創設して生産者間の結束を固め、農村生活の質の向上を図り、離村者のない夢ある地域社会の建設に向かって前進すべき」との考えを示している。

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