大耳小耳

ニッケイ新聞 2012年7月7日付け

 先月、荒國誠宗家の指導を受けたブラジル國誠流詩吟会の作本登実子会長は「ほとんど初心者だから、一番大事な基礎の発生練習法を教えてもらって感謝感激」と大喜び。荒宗家も「皆さん熱心に講習を受けて下さった。9月の大会(ロサンゼルス)でお会いするのが楽しみ。私が来た甲斐があったと言えるくらい上達してもらいたい」と激励。短いながらも実りある研修になった様子。
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 戦後移民が初到着した1953年、山本坦は非日系女性と結婚した。義父はブラジル法曹界の重鎮、式のパドリーニョはカンポス・サーレス(1898—1902、第4代大統領、カンピーナス出身)の孫だった。山本喜誉司がいかにブラジル社会に根を張っていたかが伺われる。終戦後、山本家はパウリスタ大通りに住んでおり、坦は「ジャニオ・クアドロス、アデマール・バーロス、ジュッセリーノ・クビチェッキもそこに迎えて食事をしたことがあった」とも。今ですらそれぐらいブラジル社会に食い込んでいる日本人は少ないだろう。
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 現在参加者を募集している日本語センター・県連共催の『第6回弁論大会』。昨年より一カ月開催が早まったのは、応募作品の中で「震災」に関係したものを、10月中旬からある『東北被災地応援ツアー(県連主催)』に持っていきたいからだとか。昨年まで全て自由だったテーマが、今年に限り「日本を想う」に設定されたのもそのため。自分が書いたものが、被災地の人にまで読んでもらえる機会は中々ない。興味のある人は参加を考えてみては。