コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2012年7月7日付け

 1カ月程前から、日本で買った冷蔵庫から水が漏れるようになった。取り扱い説明書にも説明がないので、日本の本社に問い合わせの電話をした。
 すると男性社員は「故障の時は技術者を派遣する。実際に見てみないと何とも言えない」と繰り返した。「せめて考えられる故障の原因だけでも教えてほしい」と粘ったが、「感電でもされたら責任が取れない」と請合ってもらえなかった。
 修理を頼めない状況だから自己責任を承知で頼んだのだ。それがまるで、分別のない子どもか腫れ物を触るような対応をされ、妙な無力感を感じた。
 同社に限らず、日本ではどこまで誰が責任を取るかが曖昧で、誰もがリスク回避に一心になっている気がする。自分が理解できていないことまで断言しがちなブラジルとは大きく異なる点だとつくづく思った。(阿)