ブラジル太鼓協会=盛大に10周年記念式典=450人が更なる発展願い=島田会長「皆の勇気と力のお陰」

ニッケイ新聞 2012年7月24日付け

 ブラジル太鼓協会(島田オルランド会長)が本格的に和太鼓の普及を開始してから今年で10周年を迎えたことを祝い22日、『10周年記念式典』が開かれた。記念式典には歴代会長や太鼓普及に尽くした議員、奏者やその家族ら約450人が参集、日系・非日系を問わず若者をひきつけて止まない和太鼓の更なる発展に願いを込めた。翌23日はサンパウロ市文協大講堂で奏者約600人が出場した『第9回ブラジル太鼓選手権大会』が開催され、約2500人が来場した(大会は後日詳報)。

 組織的な和太鼓普及の基盤は、矢野ペードロ前会長が整えた。サンミゲル・パウリスタ文協会長だった当時、会員の減少を食い止める方策としてエイサー太鼓を活動に取り入れたところ「ブラジル人を含め凄い人気だった」。
 続いて会長に就任した福岡県人会で「何とかして太鼓の魅力を伝えたい」と1998年、来伯していた福岡県国際交流センターの藤本英夫専務理事に指導者招聘と和太鼓提供の協力を申し出た。
 2002年3月、約10人の有志による「ブラジルに太鼓を送る有志の会」が太鼓8つを寄付、同年7月にJICAから小田幸久指導者が派遣された。協会が設立したのは2年後の04年だが、本格的に太鼓普及が始まった02年から数えて10周年としている。
 式典は太鼓演奏で幕開け、日本人移民百周年記念曲「絆」が披露された。続いてスクリーンに映し出された10年の歩みを鑑賞した。
 島田会長は「歴代会長や役員、指導者、奏者など多くの方々の勇気と力なくしては、今日を祝うことは出来なかった。今後の発展に向けても、皆さんの協力を仰ぎたい」と挨拶、矢野前会長も「ブラジル全土に広まったのは皆さんの御協力のおかげ」と謝辞を述べた。
 太鼓普及における功労者に銀のプレートが授与され、渡部一誠・初代会長、矢野前会長、JICAシニアボランティアの蓑輪敏泰指導者、日系議員ら29人が栄誉に浴した。
 式典後は夕食会が開かれた。参加者らはブッフェに舌鼓を打ちながら歓談を楽しみ、翌日の大会に向けて意気込みを新たにした。