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ニッケイ新聞 2012年7月28日付け

 「被告を擁護するわけではないけれど」—。30日に行われる、フジモト・パトリシア容疑者の裁判。ピニェイロスの地方裁判所の職員は冒頭のように前置きした上で、「被告はとても苦しんだと聞いている。日本では、ブラジルに逃げたとみなされてかなり報道されたようだけど、このような交通事故死自体はブラジルではよくあること。被告にもこの後の人生があるわけで、家族も弁護士も事件を解決したがっていると聞いている。揃って法廷に現れると思う」と話していた。事故後7年、ようやく解決となる。山岡さん夫妻は、今どのような気持ちでいるだろうか。
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 8月5日にイビラプエラ公園で行なわれる『第2回灯ろう流し』では、灯篭が流れる間、平和をテーマにした音楽をバックに、同公園のスクリーン型巨大噴水に映像が映し出されるという光のパフォーマンスもある。山下譲二副会長は「苦しみを噛み締めて意気消沈するのではなくて、苦しみから歓喜に向かうことが大切」と、世界平和のアピールとしての意義を強調。
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 パウリスタ延長線のさる移住地で先日、地元文協理事からこんな話を聞いた。「在聖総領事館から送られてくる天皇誕生日祝賀会のコンビッチが届くのが毎年遅く、いつも終わった後なので困っている。田舎だから遅くなるので、なんとかもう1週間早く投函してくれないかとお願いしたら、『同じ日に一斉に投函することに決まっているので、そちらだけ早くするのは無理。文句なら郵便局にいってほしい』と木で鼻をくくったような返事だった。ことがことだけに、もっと柔軟な対応をしてもいいのでは」と怒っていた。帰国したばかりの大部一秋在聖総領事は100カ所以上の日系集団地を回ったとのこと。当然、地方文協の事情には通じていたはずだが・・・。