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在聖日本国総領事館=三世向け特定査証が延滞=今週から正常化の見込み

ニッケイ新聞 2012年8月7日付け

 在聖日本国総領事館による三世向けの特定査証発給が6月末から滞りはじめ、通常は6週間のところが3カ月というケースまで見られたが、ようやく「今週から徐々に正常化する見込み」だという。
 特定査証は日本人の配偶者や日系人、その配偶者などに給付されており、日系人の場合、デカセギを目的とした申請が大半を占める。昨年は全査証発給件数1万3千515件のうち、特定査証件数は約3千件だった。二世向け同査証は発給に1週間、三世向けは6週間かかるのが普通だった。ところが、訪日経験のある三世に限り、6月後半の発給分から発給が滞る状態が続いていた。
 デカセギを扱う日系旅行社などによれば、発給予定日の直前に同総領事館から「発給されない」との連絡があり、原因に関する明確な説明はないまま1週間、2週間と延期されていたという。
 中には、申請からすでに約3カ月が経過した人もおり、既に内定を出していた日本の企業も三世の雇用を渋り始めており、雇用先から「1カ月以内に来られないなら、来なくていい」と言われるケースも出始めていたという。
 そのため日系旅行代理店の関係者らは、「今までこんなに遅れたことはなかった。いつ発行されるかも分からない」と戸惑いを見せ、「行く人にとっては死活問題」と問題視していた。
 同館査証班の植田敏博領事に問い合わせたところ、「今週から徐々に、今まで滞っていた分が発給される。旅行代理店にもご連絡しているところ」と正常化しつつあることを強調した。
 遅滞は日本で行なわれる審査の段階で発生していたらしく、「審査の詳細は公表できない」としか説明せず、「日本の方針が大きく変わったわけではない。皆さん仕事で行かれている重みは感じていますので、今後はご迷惑にならないように、6週間のラインを守っていけるよう努める」と同領事は話した。

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