ブラジル琉球舞踊協会=創立20周年、盛大に祝う=45演目、9百人が来場=6師範に創立功労賞も

ニッケイ新聞 2012年8月10日付け

 『ブラジル琉球舞踊協会創立20周年記念祝賀芸能祭』が5日午後、沖縄県人会館で開かれ、約800人の来場者で会場は熱気にあふれた。ブラジル琉球舞踊協会(知花千恵子会長、会員約400人)傘下の4流派、玉城流・玉扇会、小太郎会、てだの会、琉舞・華の会ほか、エイサーや太鼓グループも参加し、花を添えた。知花会長は「会員やその家族、実行委のご尽力で今日を迎えた。感謝の気持ちで胸が一杯」と満面の笑みを見せた。

 1992年、故浦崎直秀、金城節子、具志堅シゲ子、具志堅洋子、古我知ゆり子、知花千恵子の6師範により、琉球舞踊研究会(後に改称)として発足した。
 創立目的にある琉舞の保存と研究、後継者の育成のほか、ハワイ公演、沖縄でもウチナーンチュ大会、本土復帰30周年記念公演で舞台を踏んできた。
 式典で城間和枝実行委員長は「遥か故郷を思う唄や三線にのせた舞踊に心を癒し伝統を守ってきた」と先人の苦労を振り返り「ブラジルに琉球舞踊の大輪の花を咲かせたい」と決意を語った。
 沖縄からは仲井眞弘多知事、「てだの会」の玉城千枝家元、「太圭華の会」の佐藤太圭子家元、沖縄ブラジル協会の西原篤一会長の祝辞もあった。
 創立功労者として、前述の6師範が表彰され、3代目会長(2005〜10)の城間和枝さんに功労賞、石川スエ(故人)、栄野川ミヨ子、島袋順子さんに感謝状が送られた。
 琉球古典音楽の合奏で荘厳に開幕、会場を飽きさせない45演目が休憩を挟んで披露され、子供たちの可愛らしい舞台には温かい拍手が送られ、師範らの年季の入った貫禄の踊りにはため息が漏れていた。
 8歳で琉球舞踊を始めた玉城ルシアーナさん(23、三世)=サントス在住=は「同好の士が集まって嬉しい」と舞台の興奮が冷め遣らない様子で話す。
 「コロニアのイベントで沖縄はすごいと思っていた」と来場の理由を話す上村紀子さん(70、二世)も満足の笑顔。
 「若い時は仕事ばかり。踊りを初めたのは70歳から」と話す松堂初子さん(74、嘉手納町)=スザノ在住=は「若い世代が頑張っていてすごい。ウチナーグチも分からないのに…感心するし頼もしい」と目を細めた。