山口県人会=創立85周年式典に3百人=母県の観光局長らが出席=高齢者、功労者の表彰も

ニッケイ新聞 2012年8月14日付け

 山口県人会(要田武会長)の創立85周年を祝う記念式典が12日、サンパウロ市リベルダーデ区の客家会館で行われ、会員、日系団体関係者ら約300人が出席した。母県からは県観光局の山本隆士局長、県地域振興部観光交流局国際課の時乗勇人主幹、篠原透浩主任のほか、山口県ブラジル親善協会の田村伊正会長代理が駆けつけた。80歳以上の高齢者、県人会への功労者に向けた表彰などが行われた式典後には賑やかに祝賀会が開かれた。

 式典は午前10時過ぎに井上ロベルト祭典副委員長の開会宣言から始まり、日伯両国国歌斉唱、先亡者に対する黙祷が行なわれた。
 祭典委員長である要田会長は挨拶の中で、関係者らに感謝の意を示し「今後さらなる会員相互の親睦を深め、母県との繋がりをより一層深化させ、人との出会いを大切に次世代につなげていきたい」と抱負を語った。
 山本局長によって代読された二井関成県知事からの祝辞では、85年の歴史とこれまでの活動に対し敬意が表されたほか、昨年日本で開催された第3回に続く『第4回在外山口県人会世界大会』が、2015年にロサンゼルスで開催を予定されていることが発表された。
 来賓祝辞に続いて行われた祝電披露の後には、80歳以上の高齢者と、これまで県人会に大きく貢献してきた功労者(対象者8人中5人が出席)が表彰された。
 記念品の交換、県民歌の合唱、万歳三唱が行われ、要田会長、山本局長らによる鏡開きにより祝賀会が始まった。アトラクションとして披露された北原民江さんによる筝曲民謡メドレー、上田舞踊団による日舞なども好況を博し、大きな盛り上がりを見せた。
 マット・グロッソから16時間かけて来たという秋村静子さん(75)=同州ドウラードス市在住=は「楽しい踊りも見ることができてとても良い会だった。同郷の岩国出身の人たちとも会えたし、本当に来た甲斐があった」と満足げな表情。
 県人会の呼び寄せ移民として1960年に来伯した有沢光康さん(78)=ピエダーデ市在住=も「県人会があったから今の自分がある。これからも活動が永く続いて欲しい」と感慨深げに話した。