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ニッケイ新聞 2012年8月21日付け

 『日本人の心の歌』でさだまさしの名曲「帰ろかな」を歌った北川和義さんは、歌詞の一部を「やればやれそなブラジル暮らし」「帰りたくても帰れない」と改変し、日本から遠く離れたブラジルに移住した移民の気持ちになぞらえた。その情緒溢れる歌いぶりに目を潤ませる観客も。まさにコロニアによるコロニアのためのショー。最盛期に比べると観客の数は減少傾向にあるようだが、まだまだ長く続いていくことを期待したい。
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 企画、構成を担当し昨年から中心となって準備を進めてきた道康二さんは「今年は例年と比べても素晴らしかった。本当に日本のプロ顔負けのショーですよ」と満足げな表情を見せ「全て日本語で進行する、日本人のための歌謡ショーはブラジルでは他にどこにもない。コロニアに残る一世の方々のためにもまだまだやめられません」と来年以降の継続的な開催にも意気込みを見せた。
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 何故建設会社がウナギの養殖? 徳倉建設の元ブラジルでの事業を意外に思った人も多いはず。創業者の故・徳倉正志さんが当時日本人に「何か足りないものは」と尋ねた所、「何でもあるがマツタケとウナギはない」と答えたことがきっかけだったという。ウナギ産業の盛んな愛知県一色出身だったため「何とかしましょう」と請け合い、水産試験場を営んでいた親戚にブラジル行きを命じたのだとか。