コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2012年8月30日付け

 「駄目で元々のつもりで申請はしますが…」。29日付け本紙で紹介した、サンパウロ国際短編映画祭の国際部門で入選した吹田祐一さん。国から助成金は出ないのかと尋ねると言葉を濁した。
 映画祭では、知り合った外国の監督らの多くが各国政府からの支援を受けているということに驚かされたとか。反対に、日本で助成を受けられる人の数はごく僅かだと話すと周囲に驚かれたという。
 短編映画とはいえ、国際的な権威のある映画祭での入選。評価されないのは如何なものかと人事ながら腹が立ったが、彼は当地に着いて考えるものがあったと話す。
 「滞在費を主催者から出してもらえるだけでも儲けもの。他の監督らから刺激を受けることもできました」。そう笑う吹田さんの次回作に期待したい。個人的にはブラジルをテーマにした作品を作って欲しいもの。(酒)