■ひとマチ点描■大将の父は児玉さんの戦友

ニッケイ新聞 2012年9月1日付け

 陸軍兵士の日を記念して先月24日に軍事パレードがサンパウロ市の南東総指令部で行われ、数千人が威風堂々と行進した。そこには、今年70周年を迎えた第2次大戦イタリア戦線(FEB)に参加した日系兵士40人の唯一の生き残り児玉ラウルさん(95、二世)、妻アリッセさん(78)の姿もあった。
 同司令部のアデマル・ダ・コスタ・マシャード総司令官(62、陸軍大将)は児玉さんの帽子につく、とぐろをまく蛇マーク(FEB)を見て敬礼を送った。実父(同じく陸軍大将)もイタリア戦線に参加し、児玉さんと共に銃を握った戦友だからだ。
 総司令官から「また来年も会いしましょう。それまでお元気で」と声をかけられると、児玉さんは嬉しそうに手を握り返した。児玉さんの父は広島出身の笠戸丸移民であり、広島県人会理事の平崎靖之さん(66、広島)は「大将は稀に見る親日家です」と児玉さんとの出会いを喜んだ。(深)

写真=左からアリッセさん、児玉さん、マシャード総司令官、平崎さん