コロニアが初の協力表明=20年万博の誘致に団結=南米初、サンパウロ市開催を目指し=カサビ市長「日本の支援も期待」

ニッケイ新聞 2012年9月21日付け

 「日系社会の支援表明は貴重かつ初の正式なもの。日本の支援も期待したい」——。ジルベルト・カサビ市長は、サンパウロ市が目指す南米初の万博開催への協力を明らかにしたコロニアに感謝の意を示した。博覧会国際事務局(BIE、本部パリ)が主催する『EXPO 2020』(万博)の候補地に名乗りを上げている。19日、県連、援協、文協、日文連、商議所の日系5団体の代表者らが日系社会を代表し、市役所でカサビ万博立候補委員長(市長)に対し正式な支援表明を行った。

 万博とは、国際博覧会条約(BIE条約)に基づき複数国が参加する博覧会。1851年のロンドン万博が初。高い経済効果が見込めることから、世界各地で開催され、日本では大阪(1970)や愛知(2005)で開かれた。南米では一度も開催されていない。
 立候補地はエカテリンブルゴ(ロシア)、イズミル(トルコ)、ドバイ(UAE)、アユタヤ(タイ)、サンパウロ市の5市。昨年10月28日、ジウマ大統領が正式な国の事業として立候補している。
 開催地は来年11月パリ本部で、161カ国の会員国による選挙で選ばれる。サンパウロ市に決まれば2020年5月15日〜11月15日の間、聖北西ピリツーバで開催予定。
 同委員会の執行委員長である福原カルロスさんが日系人だったことから、最初の支援要請先として日系社会が選ばれた。今後、他の移民社会にも協力要請するという。
 福原執行委員長は「テーマ『多様性の力と成長のための調和』(Forca da Diversidade, Harmonia para o Crescimento)は、まさに多民族国家ブラジルのもの。国の発展に大変重要なイベント」と強調した。
 中谷アンセルモ日文連理事長は「日系社会の力をもって応援できることを光栄に思う。是非頼りにしてもらいたい」と話し、平田藤義・商議所事務局長は「まだ具体的な話はないが、例えば専門家の派遣や提言などを行い、日本の万博経験のノウハウをブラジルに伝えられたら」と自身の考えを述べた。