コラム 樹海

ニッケイ新聞 2012年9月25日付け

 ケネディ大統領は、多くの女性と不倫な関係を抱え、ジャクリーン夫人も浪費家であり、派手な「恋物語」?で話題になりもした。未亡人になるとオナシスと再婚、買い物狂いに熱中し、移民上がりのおカネ持ちも怒り心頭に達したそうな。まあ、これは内輪の話だが、お二人のヌードが盗撮され「ハスラー」に掲載され、肥満と痩身の対比に読者らから嘲笑が巻き起こりもした▼ダイアナ元妃と恋人を追廻し、二人が死亡する事件も、米国の「報道ギャング」、台湾で「狗仔隊」と称するパパラッチの執拗な追跡作戦が引き金だった。勿論、ジャクリーンさんのヌード写真もである。なぜ、こんな馬鹿げたことがと云えば、マスコミが、こんな低脳で興味本位の写真を高価に買い取るからに他ならない▼先ごろも英王室のウイリアム王子と仏プロバンスに滞在していたキャサリン妃のトップレスを盗撮し、これを芸能誌が掲載し、問題になっている。先月にはヘンリー王子が全裸で女性らと遊んでいる写真もある。堪り兼ねた英王室は写真家と雑誌社を提訴したが、ドイツやフランスなどでは、こうしたパパラッチの下劣な写真を法的に規制もしている▼英王室のこの告訴に対し仏裁判所は、雑誌社に「写真掲載を禁止する」とし、違反すれば一日1万ユーロ(100万円)の罰金を課すの名判決を下した—さすがは文化の国フランスである。この仏の判決を好機として「報道の自由」についてもっと議論を活発にし俗悪な盗撮写真の追放に繋げたい。(遯)