■訃報■本紙元社会部長 神田大民氏

ニッケイ新聞 2012年9月26日付け

 ニッケイの元社会部長、神田大民さんが25日午前零時50分、サンパウロ市モッカ区のサンタマジョーレ病院で脊椎などのガンで亡くなった。享年74。
 神田さんは1937年11月に秋田県鹿角市に生まれ、64年5月にあるぜんちな丸で渡伯した。最初はパラナ州の野村農場に入ったが一年も経たずに出聖し、パウリスタ新聞の記者になる。70年3月の大口信夫在聖総領事誘拐事件の時、公邸近くで解放された同総領事をいち早く見つけ、「大丈夫、なんともない」とのコメントを唯一とった。
 81年頃に同紙を辞め、『実業のブラジル』『農業と協同』などに短期間在籍し、80年代中頃に日伯毎日新聞に入社し、故一百野勇吉さんの後、90年代に編集長に就任した。
 98年に日毎がパウリスタ新聞と合併してニッケイ新聞になった後は社会部長となり、以後08年の移民百周年後まで勤め上げて退職した。人文研の『ブラジル日本移民・日系社会史年表増補版』の専任編集委員を務め、昨年12月に刊行したばかり。3カ月ほど前から体調を崩していた。
 26日午前9時、ヴィラ・フォルモーザ墓地に埋葬される。