聖南西教育研究会=レジストロで学習発表会=250人の前で40人がお話

ニッケイ新聞 2012年11月6日付け

 聖南西教育研究会(福沢かずおき一興会長)主催の「聖南西お話学習発表会」が21日、レジストロ・ベースボールクラブで行われ、聖南西地区のイビウーナ、ピエダーデ、ソロカーバ、ピラール・ド・スール、コロニア・ピニャール、カッポン・ボニート、レジストロの七つの日本語学校が参加した。
 五地区が持ち回りで毎年行っており、レジストロでは初めて。生徒や家族のほか、地元住民ら約250人以上が集まり、会場には各校が授業で作成した絵や毛筆、工作の作品などが展示された。
 午前のお話の部では、各学校から選ばれた7〜17歳の40人が発表を行った。数年前は、日本語力の低下に伴い既存のお話を覚えて発表する生徒が多かったものの、現在はほとんどの生徒が8月の聖南西作文コンクールや授業で書いた自作の作文をもとに発表するようになったという。
 終始和やかな雰囲気の中で進み、各学校の代表者は緊張しながらも、家族のことや自分の体験にもとづいた気持ちや考えについてのびのびと発表した。ウセンス文化センター(ソロカーバ)のかわとこ川床ゆきさん(16)は将来の夢をテーマとして宇宙に関する知識や憧れを、コロニア・ピニャール日本語モデル校の田中由貴さん(17)は10年続けてきた太鼓への想いを発表した。
 ピラール・ド・スール日本語学校のたけ武やすよう安洋いち一君(16)は1926年にブラジルに移住してきた祖母の苦労話や祖母に対する驚き、尊敬の念を情熱的に語り、岡田えり恵里さん(16)は日本語学校における先輩の存在の意義を後輩たちに熱く語りかけた。
 午後の出し物の部では、コロニア・ピニャール校全校生徒が出演したミュージカルやカッポン・ボニート校によるソーラン、ピラール・ド・スール校によるラインダンスやコント、歌など12の出し物が2時間にわたり披露され、地区の生徒は一体となって楽しんだ。
 同日は、8月に行われた聖南西作文コンクールの全作品を掲載した作文集「みらい」が各学校に配布された。