コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2012年11月9日付け

 日本のサービスは世界一といわれる。帰国した時、客のまばらな車内でも車掌が深々とお辞儀をする姿や、わずかな待ち時間でも、レジで「お待たせしました」というスーパーの店員など、些細な光景に感激した。
 日本移民・青木智栄子社長が運営するブルーツリーホテルでは、こうしたおもてなしの心を接客の柱とする。人を指さしてはいけない、ペンを渡す時はペン先を自分に向けるなど、小さなことから徹底しており、「青木社長はいつも疲れた様子一つ見せず、従業員にも気を使う。おもてなしの心にあふれている」と広瀬純子・国際担当部長は語る。
 食品や物の輸入と違って、身を持って教える日本人がいてこそ伝わる精神文化。「ブラジルを住みよい国に」という視野を持ち、彼女のように骨を埋める覚悟でビジネス展開する企業が増えることを期待したい。(阿)