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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2012年11月9日付け

 ブラジリアは最もブラジルらしく、同時に最もブラジルらしくない町だ。「ブラジルらしい」のはその歴史が示すとおり、独立以来の壮大な歴史ロマンに彩られた都市であり、JKに代表されるロマン主義的な野望が凝縮されているからだ▼「らしくない」のは、通常の街路名は人名、重要な出来事の日付などだが、首都ではアルファベットと数字の組み合わせになっている点だ。普通は交差点には信号だが、計画都市たる首都は広々した道路を最初から作り、極力信号を排してロータリーを作っている点もそうだ▼同様に、普通は繁華街と居住区が渾然一体となっているが、首都は官庁区、ホテル区、大使館区、商業区、居住区と別々に集められている点も異なっている。その結果、〃無機的〃とも言ってもいいような整然とした町並みとなり、パダリアもバールもない不便さを伴う町になった▼行政機構も違う。連邦直轄区には市長も市議もいない。知事は選挙で選ばれるが、「市」の運営は知事から指名・委託された行政官が当る▼遷都発表直後の57年頃は、リオや聖州の既存勢力から強力な反対論が湧き上がったという。既得権益と地理の結びつきの深さを思えば当然だ。当時の国家予算は遷都に集中したため、あちこちにヒズミが生じた▼例えば、アマゾン開発庁はアマゾン河下流にグアマ連邦移住地建設を55年から開始した。日本移民125家族も57年から入植を開始していたが、遷都発表以降、移住地に必要な基本設備を作る資金が回らず、悲惨な状況に陥った。夢のような遷都の裏で泣かされた日本移民がいたことは明記しておかねばなるまい。(深)

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