コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2012年11月15日付け

 「社長にインタビューを」と韓国のTV局から2人が本紙にやってきた。「どのようにブラジルで日本文化を広めたのか」「当地でも韓国ブームが起こりつつあるが、何か助言を」といった質問が中心。「難しい質問だね」と困る弊紙社長をよそ目に、「もっと詳しく」と熱心だった。
 彼らは日本移民から文化普及の方法を学ぼうとしている。模範とされるのは喜ぶべきことだが、すでに日本人商店主が数えるほどになった〃東洋街〃の姿も思い浮かぶ。近隣諸国はしたたかだが、日本の日本人は自国アピールに熱心ではないし、日本移民にブラジルでどう日本文化を広めたかと質問することもない。
 日系社会も自然発生的なアニメ漫画ブームや日本食ブームに、うかうかとアグラをかいてはいられない。今後も存在感を保つためには、益々積極的な発信が必要になりそうだ。(阿)