ペドロ・デ・トレード=文協会館修復で祝賀会=蘇る日系社会の象徴に

ニッケイ新聞 2012年11月17日付け

 ペドロ・デ・トレード市の文化協会会館で10月21日正午、会館修復完成の祝賀会が行われた。宮城セルジオ市長夫妻、ブラジリオ神父、金城ソランジ文協会長、山村敏明リベイラ河沿岸日系団体連合会会長、近隣の市町村の文協役員を始め、地元は勿論サントス、サンパウロ市から駆けつけた元同市在住者約200人が参加し賑わった。
 同市はレジストロから約75キロの地点にある静かな平和な町である。人口約1万2千人、約60家族の日系家族が住んでいる。日系家族は殆どが沖縄出身とその子孫で、深い絆で結ばれている。
 この建物は1930年、「アレクリン花園学園」として金城会長の祖父・比嘉スキチさん等の手で建立された。戦時中は市役所として使用されたが、戦後はセバスチアン・カルドーゾ市長の時代にコロニアに返還された。
 金城会長は皆の協力に感謝し、「1年以上寄付を募り、リッファを売り、レジストロの灯籠流しや盆踊りで資金を得て修復工事を完成し、この上ない喜びです。リベイラ河日系団体連合会の後押しなしで完成するのは不可能でした」と述べた。
 来賓の祝辞の後、祝賀昼食会が催された。長老達の蛇味線に合わせて婦人達は沖縄民謡を歌い、のど自慢のカラオケや琉球国祭り太鼓・踊りも披露された。みな笑顔一杯、時間の立つのも忘れ夕方まで祝った。生まれ変わった会館はペドロ・デ・トレード日系社会の拠り所となるだろう。(金子国栄さん通信)