日教寺創設50周年=記念法要・落慶式を開催=1200人が慶事を祝う=日本から鈴木日樹上人も

ニッケイ新聞 2012年11月22日付け

 本門佛立宗日教寺(コレイア教伯教区長)の『創立50周年記念法要・大屋根落慶式』が18日、同寺本堂で執り行われた。全伯各地の系列寺院から住職が訪れたほか、高知県の佛立寺から鈴木日樹上人が来伯し、駆けつけた約1200人の信徒とともに慶事を祝った。法要後には青年部による法華経説法の演劇も披露された。コレイア教区長は「30年来の悲願。今日という日を迎えられたことを嬉しく思う」と話した。

 同寺は1962年、ヴィラ・マチウデとジャバクアラ両区にあった2つの親会場が合流してサンパウロ市のボスキ・ダ・サウーデ区に創設され、82年にヴィラ・マリアーナ区の現在地に移転した。当時から大屋根建設を願う声が上がっていたものの、予算捻出が叶わず、後に付設しやすいよう玄関を深いひさしのついた構造とするに留まっていた。
 5年前にコレイア住職が大阪の守口義天寺を訪れた際、美しい銅板作りの大屋根を目にしたことを契機に計画が再燃。同寺の建設に関わった建築会社「西河工務店」を紹介してもらい、長い討議と下準備の末、今年3月から建設が行われていた。
 式はサンパウロ市の警察隊のバンダによる両国家の斉唱から始まり、色とりどりの風船が空に放たれる中、コレイア教区長、鈴木上人らが列を成して本堂へ入場した。
 婦人部によるコーラスなどの後行われた鈴木上人による御法門(法話)では「因果の道理」についての教えなどが説かれた。
 挨拶に立ったコレイア教区長は、来賓や来場者、大屋根の関係者などに感謝の意を示しつつ「大屋根建設は寺にとって30年来の悲願。無事に今日という日を迎えられたことを嬉しく思う。また、大切となってくるのはこれからのご奉公。ともに努力していきましょう」と話した。
 90歳以上の功労信者への表彰と、約4千枚の写真で見る大屋根建設の過程を記録したビデオ上映の後には、同寺青年部による説法にあるたとえ話「pai nobre filho pobre」(長者窮子の喩え)の演劇が披露された。プロの演出家による指導の下、約半年間の稽古を積んだ総勢26人が出演する力作に、会場からは大きな拍手が起こった。
 「両親から孫まで、4代に渡って本門佛立宗の信徒」と話す鈴木典子さん(66、大阪)は「本当に感無量。これだけ立派な大屋根ができたのもずっとこの地で続けてきたからこそ。継続性の力を感じます」と感慨深げに話していた。