東西南北

ニッケイ新聞 2012年11月24日付け

 22日に行われたジョアキン・バルボーザ氏の最高裁長官就任式の後、レストランで開かれたパーティで、ルイス・フクス判事がエレキギターを持ってステージに上がり、バンド演奏を背景にブラジル伝説の黒人歌手チン・マイアの曲を約5分間披露し、喝采を浴びた。「ギターを持つのは久しぶり」と緊張は隠せなかったものの、同判事は「裁判官は謙虚で庶民のための存在でなければならない」との曲中での語りもうまく決めた。
     ◎
 ブラジルの陸上競技史上を代表する名選手ネルソン・プルデンシオがサンパウロ州サンカルロスの病院で肺癌のために亡くなった。68歳だった。プルデンシオは1968年のメキシコ五輪、72年のミュンヘン五輪に3段跳のブラジル代表として出場し、メキシコで銀、ミュンヘンで銅メダルを獲得した。ブラジルの五輪での1大会あたりでのメダル獲得数が0〜3個ほどだった時代の貴重な名選手だった。
     ◎
 23日に公開がはじまった映画の新作に、ブラジル映画が5本含まれていた。製作本数が少ないブラジル映画としては異例の多さだが、その中でドキュメンタリー映画が4本を占めている。今年公開された全てのブラジル映画の50%はドキュメンタリーが占めており、新たな潮流と言えそうだ。今週の注目は、勃発から100周年を迎えた「コンテスタードの反乱」のドキュメンタリー。