コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2012年11月29日付け

 サンパウロ市の料理を決める今年のプレミオ・パラダールが発表された。前菜、パスタ、鶏など8部門に分かれて競われ、寿司部門ではパライゾ区の新寿司が、木下、藍染、ジュン・サカモトなど御三家を抜き優勝を勝ち取った。
 サンパウロ市一番の味を誇る寿司とは——と見ると、何とイカの握り。まだ足を運んだことがない寿司店だが、脇役的なイカで挑戦したのはそれだけ腕前に自信があったからか、それとも「イカは脇役」という〃非常識〃にあえて挑戦したのか。
 とにかく、日本人の感覚からすれば、出場者、審査員共に驚きの選択だ。〃常識〃はともすれば偏見になるから、日本食の知識が浅い当地ならではの結果とも言えそうだ。
 脇役的素材をもって御三家を負かしたことは、愉快でもある。日本人の舌を満足させる質を、切磋琢磨で追求してもらいたい。(阿)