コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2013年1月8日付け

 ドイツでは店員と客が同等だと、ドイツ人の知人から聞いたことがある。他の諸外国でもそうかもしれないと想像するが、日本でお客様は神様だ。そんな国で生まれ育った人間が、日本とは常識が違うと割り切ることは容易ではない。
 ブラジルではまるで、職員が神様のようだ。機内荷物に預け、破れた無残な状態の鞄を前に呆然としつつ、深夜のマナウスの空港で思った。いくらブラジルでも、この状況なら最初に謝るだろうと思ったが違った。
 自分は関係ないという態度を隠そうともしなかったし、外国人だったから軽く見たかもしれない。ブラジル人や男性なら態度が違っていた可能性もある。
 納得できなくても我慢して飲み込むことに慣れてきたが、泣き寝入りばかりもしたくない。長年当地に住む人は、謝罪しないブラジル人にどう対峙し、腹におさめてきたのだろうか。(詩)