ホーム | 日系社会ニュース | 藤間流日舞学校=新年踊り初めに8百人=優雅な舞で会場を魅了

藤間流日舞学校=新年踊り初めに8百人=優雅な舞で会場を魅了

ニッケイ新聞 2013年1月18日付け

 藤間流日本舞踊学校(藤間芳之丞校長)は13日、文協大講堂で『第52回新春日本舞踊 踊り初めの会』を開催、約800人が訪れた。
 午後1時ちょうどに藤瀬圭子、江口桂の両司会によって幕を開けた会は、同学校藤之会が行う講習会の皆勤賞(リカルド・レイテさん)及び功労賞(ファビアナ・サンゼス、杉本和美、千田修子、藤間芳誠さん)の授与から始まった。
 普通科の生徒による第一部は、富岡ファビアさんによる「鼓の舞」からスタート。続いて四季折々の日本の風景を舞踊で表現した「四季の寿」を篠原れい子さん(36、三世)が優美に披露した。リオから初参加の篠原さんは「昨年10月に亡くなった母を想って踊った。完璧ではなかったけど、幸せな気分」と感慨深げに語った。
 上級クラスである「専攻科」による第2部で「恋の名残月」を舞ったのは芸歴30年以上というベテランの吉田時代さん(86、佐賀)。「余計なことを考えず、自分の踊りだけに集中するのが大事。今日はしっかりできたかな」とほっとした表情を見せた。
 名取らが出演する第三部「祝賀の色彩り」には、藤間校長も出演。娘で藤之会の理事長を務める芳翁さんとともに能の作品としても有名な長唄「猩々」を情感豊かに踊りあげた。
 フィナーレ「跳る!踊る!!躍る!!!」には、約30人が総出演で舞台を盛り上げた。最後には演者がステージを降りて、観客と一緒になって「コロニア音頭」「炭坑節」を踊った。
 藤間校長は「現状に満足せず進歩の気持ちを持ち続けることが大事」と話した。
 家族で観覧に訪れた緑川栄子さん(三世、60)は「日本文化の良さを改めて感じた。年のはじめに勢いがつくね」と笑顔で感想を語った。

image_print