サンタンデール銀行=12月に年金未着が多発=代理店が入金確認呼びかけ=口座変更手続きが有効か

ニッケイ新聞 2013年2月15日

 昨月末、日本の年金受給手続きの代行業務を行う「Kamp Assessoria」(井垣優子代表、以下カンプ)から、「昨年12月、サンタンデール銀行の利用者の多くが、日本政府支給の年金を受け取れなかった」との情報が本紙に寄せられた。井垣代表が調べた所によれば、日本からは通常通り送金手続きがなされたが、銀行本店における何らかの問題が原因で、あちこちの支店で入金が滞ったようだ。次回の支給日は本日15日。14日に本紙が同銀行本店に問い合わせると、「現在は正常に機能している」との返答だった。井垣代表は「送金されたお金は3カ月経つと日本に戻ってしまう。念のため入金確認し、未着の場合は早めに銀行で入金手続きを」と呼びかけている。

 日本政府の年金は年6回、偶数月に支給される。口座への入金時期は銀行や担当者によってまちまちで、早くて翌日、遅くて2週間かかるという。
 カンプには、毎支給日ごとに数人から「年金が口座に入らなかったので調べて」と言う依頼が寄せられるが、昨年12月は約30人から年金未着の連絡があった。その全員がサンタンデール銀行利用者だったことから、銀行本店に問い合わせたが「たらい回し」になるばかりで、何の回答も得られなかったという。
 100人以上の受給者を抱えるリベルダーデ支店の日本語担当者は、「本店の為替部門で11月末から問題があり、銀行全体で全ての国外送金が未着となっていた」と話していたという。さらに井垣代表は様々な支店に問い合わせたが、支店や責任者により説明は食い違い、原因は分からないまま。共通していたのは「問題は本店にある」ことだけだった。
 ただし、調査を進める中で「元々サンタンデール銀行だった支店には通常通り入金されたこと」「元は違う銀行だった支店でも、日本に口座変更届けを出した場合は入金されたこと」も明らかになってきた。
 同代表によれば、銀行合併の際に送金未着が起こるケースがある。そのため日本政府に口座変更届けを出すよう勧めていたが、稀なので届けを出さない顧客が大半だった。
 冒頭の銀行本店の回答によれば、今月の入金は正常に行われる可能性が高い。またリベルダーデ支店では「遅れていた分も全て入金済み」と正常化したようだが、井垣代表は「〃自衛〃のため変更届は出しておいたほうが良い」と勧めている。
 口座変更届けの方法は日本年金機構(81・3・6700・1165、www.nenkin.go.jp/n/www/index.html)まで。カンプに手続きの代行を依頼する場合は(11・3106・8759、98541・9502)。料金は150レで、1回目の入金完了までの調整含む。