コラム 樹海

ニッケイ新聞 2013年2月15日

 今年のカーニバルは韓国が3都を席巻した。サルバドールには韓国人歌手Psyが招聘されて話題となり、リオとサンパウロ市のスペシャル・グループでは韓国移民50周年をテーマにしたパレードが行われたからだ。日本移民の場合、百周年でようやくリオサンパウロ市の両都でテーマにされたから半分の期間だ▼しかし9日付けエスタード紙には、韓国をテーマにした「両チームが借金に苦しむ」との見出しが踊った。韓国人ブラジル協会(ABC、以下韓国協会)は、リオのイノセンチス・デ・ベルフォード・ロッショには280万レアル、サンパウロ市のヴィラ・マリアには200万レアルを支援すると約束した—とチーム側は理解していたとある▼韓国協会は「約束はしていない」と否定し、「支援しそうな韓国系企業を紹介する」とは言ったようだと記事にある。両チームは「昨年中頃に韓国協会の方から企画を持ち込んできた。双方とも確実な支援が見込めそうな別のテーマを温めていたが、提案を受け入れることにした」とある▼リオのチームは総額650万レアル、サンパウロ市は360万レアルもかかり、韓国協会に期待した分が借金となり「来年のカーニバルも危うい状態」とか。にも関わらず記事で両チームは「たとえ不理解があっても素晴らしい顕彰を捧げる」と紳士的なコメントをした▼でも審査の結果、両チームとも降格の憂き目に。ちなみに百周年の時もリオのチームは降格した。今回コシノジュンコが出た「バロッカ」もやっぱり降格…。唯一と言えそうな成功例は日本移民90周年でヴァイヴァイがサンパウロ市で優勝したことか。東洋系がテーマとして受け入れられるのはまだ難しいようだ。(深)