ニッケイ法律相談=その31=回答者 古賀アデマール弁護士

ニッケイ新聞 2013年3月9日

 質問=もともとは市役所の所有で空き地になっていた土地を、20年間自分の駐車場に使っています。誰かに文句を言われたことはなく、時効取得(usucapiao)をしたいのですが、どうすればよいでしょうか。
 回答=
誰にも文句を言われず10年間同じ土地に住んだ場合、その土地を所有する権利が認められます。それを「時効取得」(usucapiao)といいますが、政府所有の土地は何十年経っても時効取得できません。できるのは民間の土地だけです。
     ◎
 質問=4万レアルを人に貸したのですが、そのさい相手から支払い日が3カ月後の日付の小切手を受け取りました。しかし3カ月後に銀行に行ったら不渡り小切手で戻ってきました。弁護士に相談したら「取り立てられる」ということだったので依頼し、手数料として500レアルを支払い、残りは裁判が終わってから支払うことになりました。しかし裁判に入ったら、弁護士に「貸した相手に担保となるものがないので、取り立てられない」と言われてしまいました。二重で損をしてしまったことになりますが、どうしようもないのでしょうか。
 回答=
結論から言えば、どうしようもありません。その弁護士に関して私がとやかく言うことができませんが、良心的な弁護士であれば、泣き寝入りすることがわかっている裁判なら最初からやらないものです。
 まずは、貸した相手が財産を持っているかどうかを調べることが先決だったと思います。相手から取れる財産がないのなら、泣き寝入りするしかないのです。

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