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文協会長選挙=1億円は現体制派の手柄?=大型寄付で選挙を有利に=融合派が指摘し危惧示す=日下野氏「本当に困る」

ニッケイ新聞 2013年3月19日

 【既報関連】「木多派とか小川派とか言って分裂していないで、団結して〃融合派〃になるべき時期では」。23日に迫った文協評議員選挙に先立ち、そう考えた聖南西文化体育連盟(UCES)の山村敏明会長ら小川派が、12日に木多喜八郎会長ら現体制派と会合を行い、両派が融合したシャッパを作れないかと提案したことに関し、聖市近郊のヴァルゼン・グランデ文協で17日午後、記者会見が行われた。その席で、大塚商会(本社=東京)の大塚実名誉会長から1億円の大型寄付が決まった後に再出馬を決めた木多会長を支持する現体制派グループから、全会員宛に送られた文書には、いかにも現体制派の活動に感銘を受けた同名誉会長が寄付を申し出たかのように書かれている点を危惧する旨が述べられた。

 ヴァルゼン・グランデ文協の谷口勉会長は「百周年も過ぎた。日系社会のためにみなが力を合わせるべき時期じゃないか」と融合派の原点といえる意見をのべた。
 12日の木多会長との会合で、山村会長は「木多さんを会長として支持するから、副会長に我々の中から4人入れてくれとお願いした」と明らかにし、「小川彰夫氏は必ずいれて欲しい」と条件と付けたという。
 木多氏は「10人の候補者を出してもらったら、そこから選ぶ」と答え、山村さんは14日までに副会長候補名を渡すと約束した。10人から現体制派が4人を選ぶというやり方に納得できず、融合派は4人「小川彰夫、山村敏明、谷口勉、花田忠義(カンピーナス文協前会長)」のみを通知した。
 現体制派は16日に会議をもち、18日中に返答すると答えたという。山村会長は「たとえ現体制派から否定的な返答が帰ってきても、対抗シャッパを作る気はない。そうしたら闘うことになり、分裂が深まるだけ。仲良く力を合わせることが目的だ」と強調した。
 加えて山村会長は「現体制支持グループからのメッセージ」という自宅に送付されてきた文書を示し、《日下野良武氏の案内で文協を訪問され、移住者の活躍、文協の一般社会のための組織活動と各種事業に接された日本の篤志家の心が動き、文協施設改善のためと特定された上で日下野氏を通じて文協木多会長に対して一億円の大型寄付の申し出をされました》との文面を危惧すると指摘した。
 まるで現文協の活動や事業に心を動かされた篤志家が《文協木多会長に対して一億円》を決めたように読める。
 日下野さんに確認したところ、「私が大塚名誉会長を文協に案内したように書かれているが、そんな事実はない。豪華客船『飛鳥』一行がサントスで上陸し、バスで団体ツアーとして訪れた」という。「木多会長に対して一億円」とあることに関して、大型寄付の使い道を一任され、文協を選んだのは日下野さん自身だと明らかにし、「大塚名誉会長は木多さんと面識がない。あの寄付は、特定の体制へでもなければ、文協へという性質のものですらない。文協を通して日系社会のために使って欲しいというのが名誉会長の意図です」と代弁した。
 現体制派の文面では、大型寄付を利用して選挙を有利に運ぼうとするニュアンスが伺えることに関して「本当に困る」と日下野さんは釘を刺した。「この寄付を呼び水にして、日系社会全体の活性化をして欲しいのが名誉会長の気持ち。それを選挙に利用するなど…」と呆れた様子だった。


 現体制への意見や提言=「もっと地方の声を」

 レジストロ在住の山村会長は、昨年の地方統一選挙で当選した聖市議3人を集めて2月25日に文協で行われた祝賀会に関して、「我々が何か政治家に頼みごとをするときは、各地方の政治家に行く。どうして全伯日系を代表するはずの文協が、聖市議だけを祝うのか。全伯の市議、市長、副市長を祝うべき」と地方重視の立場から批判した。
 小川さんも「文協の理事会メンバーは全員、聖市在住者。地方理事はいるが、この2年間ほとんど何もしていない。もっと地方の声が反映される組織にならないものか」と首をかしげる。
 文協から会員への通知に委任状を寄せるようにとの文面があることに関して、宮原さんは「前回の選挙では、なぜかその委任状は、自動的に現体制派の票にされていた」との運営上の問題を挙げ、「そうなるなら委任状ナシの方が公平」とした。
 宮原さん「たとえ意見の違いはあっても、日系社会が力を合わせてやることが重要ではないか。もっと風通しを良くして、意見をやりとりした方が良い」と述べた。古川シルビオUCES評議員会長は「山村さんらの行動に連盟として全面的に同意する」と語った。

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