■訃報■コロニア最長老109歳=長縄辰吉さん老衰で逝去

ニッケイ新聞 2013年4月4日

 アリアンサ移住地のユバ農場在住の長縄辰吉さんが4月2日午後4時半頃、自宅で老衰のため逝去した。コロニア最長老とみられる109歳だった。3日午後4時に同農場で告別式が行われ、第一アリアンサ墓地に埋葬された。  長縄さんは1904年生まれ、岐阜県各務原市各務おがせ町出身。名古屋の郵便局に通信士として入社、義務年3年を終えた後、22年に上京し、芝浦の日本最初のタクシー運転手養成所に入学したが、翌年、卒業式当日に関東大震災に見舞われ証書は貰えなかったとのエピソードの持ち主。  28年8月10日、力行会を通しサントス丸で渡伯した。第二アリアンサに入植したが、妻・竹花美好さんの死を機に、43年農場入り。養鶏係を務めながら農場の発展に尽くした。  同農場によれば「忍耐強く、しかし決して無理をしない性格で、一日の行動は食事の量まで決めていたほどの几帳面さで97歳まで現役として日曜、祭日なく畑に出てゴヤバの剪定作業をしていた」という。  2001年、作業中に転倒し骨折、以来自宅で療養していた。「3月28日、109歳の誕生日を皆で祝った直後の4月2日、次女・優子さんの献身的な看病の下、眠るように安らかに昇天した」とのこと。初七日法要はなし。