コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2013年5月28日

 2008年の金融危機で、日本に住むブラジル人約10万人が帰国したことを、一般のブラジル人はどれくらい知っているのだろうか。当地ではほとんど報道されていないが、おそらく知られていないだろう。
 先日来社した大田正高サンパウロ市議と補佐官らは「全く知らなかった」と驚いていた。補佐官の一人はデカセギという言葉も知らないようだった。
 大田氏は「市立学校に心理カウンセラーを配置し、問題のある子供が将来犯罪者にならないような対策をとりたい」と話していた。公立学校への適応に悩む帰伯子弟を支援するカエルプロジェクトについて話すと、「一緒にできるかも」と興味を示した。
 10万人のうち一体何千人くらいが適応に困る帰伯子弟なのか。存在すらも知られておらず、未だその数すら分からないまま…。ぜひ彼らの当地適応を促すような支援策をお願いしたい。(詩)