援協役員会=神内氏の〃最後の支援〃=高齢者3施設の改修へ

ニッケイ新聞 2013年6月4日

 サンパウロ日伯援護協会(菊地義治会長)の5月度定例役員会が23日、本部会議室で開かれ、日本国際協力財団の神内良一理事長から特別資金援助1億円の申し出を受けて発足した「神内プロジェクト」として、カンポスさくらホーム、サントス厚生ホーム、あけぼのホームの3カ所の改修や整備に計115万レ近くを使用する事業案が発表された。
 菊地会長、第三副会長の山下忠男両氏が昨年訪日して神内氏と面会したさいに約束され、援協側は寄付金を用いた事業にグアルーリョス市の新病院に当てることを希望していた。新病院は、各老人ホームで世話が困難な入居者を収容し、移住者の〃終の棲家〃として機能させるというものだ。
 ところが、当初は肯定的な反応を示していたという神内氏から先月下旬に届いた手紙には、「自分のことのように思える移住者に、安定した平穏な老後を過ごしてほしい。そのために安全な施設の整備、老朽化改善は急務で、バリアフリーなど老人を思いやった設備を充実させてほしい」と書かれていたことから、資金はこの3つの施設の改修や新規事業に当てられることになった。スザノイペランジャホームは、日本財団からの支援を受けている関係で対象から外れた。
 役員会では改修の具体的な内容と金額を記載したプロジェクト案が発表された。寄付金の残り約4割の資金は神内基金に積み立てたいという。
 自閉症児療育学級「青空学級(PIPA)」の井上健治代表は、ブラジル三井物産からの助成がさらにもう1年延長されたと報告した。今年4月から毎月5300レ、来年3月まで計6万3600レの助成を受ける。
 その他、サンミゲル・アルカンジョ市のSUS病院建設委員会は、6月末で工事を完了させ、7月半ばから開院の見込みであること、人事委員会は5月1日付けで秋山幸男事務局次長があけぼのホーム長に、前任の鈴木アドリアーノさんが巡回診療班長にそれぞれ就任したことを報告した。意識を強く持ちながら参加してくれている」と目を細めた。