アマゾン80周年記念誌刊行!=記念出版会に多数が来場=「貴重な出版物」と好評=本紙、日系書店などで販売中!

ニッケイ新聞 2013年6月21日

 ニッケイ新聞によるアマゾン日本人移民80周年記念誌『アマゾン—日本人移民80周年』(271頁、日ポ両語)の出版記念会が14日夜、日本移民史料館9Fで開催された。飯星ワルテル、安部順二連邦下議らをはじめ、日系団体関係者ら多くが来場、ベレンからは山田フェルナンド氏(Y・YAMADA副社長、全国スーパーマーケット協会会長)も駆けつけた。深沢正雪編集長はあいさつで「書きながら涙が出るような話がたくさん。これを読めば子孫はきっと誇りに感じ、150周年を祝いたいと思うはず。子どもたちの机の中に、そっと入れてほしい本」と一読を勧めた。

 本紙編集部が2009年にベレン、トメアスー、マナウス、パリンチンスなどアマゾン各地であった記念式典をカラー写真で紹介、主要な日系移住地の歴史や現状を詳細にレポートした連載記事を中心に構成されている。表彰者の一覧もあり、記録としても貴重な一冊となっている。
 ポ語監修を担当した移民史研究家の大井セリアさんは「〃緑の地獄〃で生き抜く人間のエネルギーに満ちた姿を見せてくれる本。日本語を読めない人たちにも、日系社会に関する新しい発見をもたらしてくれる」と賞賛、安部、飯星両議員も移民史の記録における同書の重要性を強調した。
 17歳でトメアスーに入植、伯父が同地の組合長だった押切フラビオさん(山形県人会会長)は「移住地のことが詳細に書かれていて、とても懐かしかった。やはり、生きているうちに記憶を後世に残すことは大切」と語り、祖父が同書に登場する山田さんは「移民の業績を認識してもらうという我々の長年の夢が、今日実現しつつある。これは、他に類のない価値ある本だ」などと感想をのべ、出版を喜んだ。
 高木ラウル社長の乾杯の音頭で食事会に移った。ブッフェは、サウーデ区にあるレストラン「トメアスー」が用意。参加者らは、豆の代わりマンジョッカの葉を煮込んだマニソバ、クプアスのムース、アマゾンの野草ジャンブー入り寿司などの珍しい郷土料理に舌鼓を打ちながら談笑した。
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 価格は70レアル。ニッケイ新聞社(11・3340・6060/マリア)、ブラジル日本移民史料館(同・3209・5465)、太陽堂(同・3207・6367)、フォノマギ竹内書店(同・3104・3399)まで。