コラム 樹海

ニッケイ新聞 2013年7月4日

 ある村には正直族と嘘つき族しか住んでいない。あなたの前に二人の住民が来てそれぞれ「私は嘘つき族だ」という。この二人は何族でしょう? こんなクイズでかつて頭を悩ませたことを思いだした。ブラジルでは、こうした状況によく出会う。コロニアも同様、今回の七夕騒動である▼ACALと宮城県人会の確執は長い。話が入り組み過ぎて理解が難しいし「仲良くやろうよ」としかいえない。要は意地の張り合いで、ずっと喧嘩してきたわけだ。とはいえ共催の形を取ってきたわけだが、35回目の今年、ACAL単独開催という正式に袂を分かつ形となった▼3日付けの記事をご覧きたい。「開催予定日を打診すると『無理』と言われそれから会議に来なくなった」(ACAL)→「何かの勘違い」(中沢会長)。「一方的に単独でやると言ってきた」(中沢会長)。しかし宮城の実行委員長である鈴木運蔵さんが話をしていた。「ACALが呼び出した」(中沢会長)、「中沢会長に行けと指示された」(鈴木氏)。さあ、このクイズを解ける読者の方がいるだろうか▼ACALは七夕祭り開催のお知らせのため記者会見に加え、本紙編集部に来社。何か歯切れの悪い雰囲気で、池崎ACAL会長の姿もなかった。時を同じくして中沢会長も来社、「祭り当日にトラックがガ・ブエノ街に入り、飾りが壊れる」と運営批判したうえで、婦人部が飾りを作っている様子を読者に知らせてほしいと依頼。しかし、その苦労も骨折り損となったのは既報の通り。今月末に創立60周年式典のため来伯する宮城県副知事は短冊にどんな願いを書くだろうか。(剛)