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在外投票数、またも減少=前参院選から約3割減=原因は一世の高齢化か

ニッケイ新聞 2013年7月17日

 今月5日から9日間、在外公館で一斉に行われた「第23回参議院通常選挙」。ネット上での選挙運動が始まり、また野党が多数を占める「ねじれ国会」の解消が注目される中、年々減り続ける当地の投票数の回復も期待された。しかし、ブラジル内の在外公館における投票数(暫定値)は1378票、3年前にあった第22回参院選挙の1939票から約3割減という大幅な減少を見せた。特に、在サンパウロ総領事館での投票数は944票で、前回に比べ約36%減。在外投票数の減少にさらに拍車がかかっているようだ。各公館の領事らはその原因を「選挙に訪れる一世の高齢化」と分析している。

 投票期間中、天候に恵まれたサンパウロ。にも関わらず大きく投票数が目減りするという結果に、「もっと来ても良かった」と関係者は残念そうに漏らす。同総領事館の選挙を総括した鎌倉由明領事は、「年々、一世が高齢化しているためでは」と語る。
 同総領事館の在外選挙人数は1万2334人で、「基本的に増減はない」。ただし、逝去しても死亡届を出さないとリストに名前が残るため、実際の選挙人数は分からないという。
 票の増えた在マナウス総領事館を除いた他の在外公館でも、投票数が減少した。数字は次の通り(括弧内は前回の投票数)。在ブラジル大使館48(52)、ベレン92(116)、レシフェ24(不明)、クリチバ83(115)、ポルトアレグレ59(62)、リオ90(100)
 ほぼどの公館においても、領事らは「投票者の大半は高齢の一世」と口を揃え、投票数の減少の理由として「一世の減少」「高齢で投票所に来ることが困難」などを個人的見解としてあげた。
 唯一投票数が伸びたのは、28票から10票増えて38票の投票があったマナウス。同総領事館の領事によれば、伸びたのは主に移住者の票で、「前回は衆議院の解散が急だったから、投票が少なかったのでは」と分析している。
 各在外公館に寄せられた票は投票が終了した翌日14日、在聖総領事館の領事が代表し、飛行機で日本まで届けた。日本国内では21日に投開票が行われる。
 なお、これらの投票数は「暫定値」であり、「有効投票数」は後日、選挙管理委員会確認の上カウントされる。

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