「日系社会勉強してきた」=新藤義孝総務大臣が来伯=情報通信技術協力を提案

ニッケイ新聞 2013年7月27日

 「日系人の努力と苦労が、ブラジルにおける日本の印象を良いものにした」。来伯した新藤義孝総務大臣は26日午後3時頃から、50年ぶりという寒さの中、日本館等の視察と先没者慰霊碑参拝のため、サンパウロ市のイビラプエラ公園を訪れ、そう本紙の取材に答えた。
 新藤大臣は日系社会について「勉強してきたし、こちらで多くの方から話を聞くことが出来た」と熱く語った。文協に移動し、日系4団体代表と意見交換の後、懇談歓迎会に参加した。
 今回、新藤大臣は24日から米・マイアミ経由で来伯し、まずマナウスの免税地域監督庁(SUFRAMA)関係者と意見交換を行った。「マナウスのソニー工場で働くブラジル人が、皆誇らしげに嬉しそうに仕事をしているのを見て、両国の関係の良好さに感じ入るものがあった」と感慨深げに話した。
 25日は首都ブラジリアでベルナルド通信大臣と約45分間の会談を行い、その中で2006年当時、ブラジルが世界で初めて日本の地上デジタル放送企画を採用したことが起点となり、この日伯方式が世界15カ国への普及に繋がったことについて謝意を示したという。加えて、インフラ管理、資源探査などの例を挙げながら、より幅広い分野で情報通信技術(ICT)における協力関係を築いていくことの提案がなされ、ベルナルド大臣も同意した。
 NHKの技術研究所などが開発を進めている、現在の日伯方式(2K解像度)よりもさらに精細度が高いテレビ映像の放送技術(4K、8K)のデモンストレーションを、2014年W杯、16年リオ五輪の際に実施することも視野に入れているという。