コロニア・ピニャール 飛翔太鼓が日本大会へ=全伯太鼓フェスティバル=328人の奏者が熱演

ニッケイ新聞 2013年8月1日

 ブラジル太鼓協会(島田オルランド会長)が28日、サンパウロ市文協大講堂で『第10回ブラジル太鼓フェスティバル』を盛大に開催した。サンパウロ州各地をはじめ、ブラジリア、パラナ、ミナス・ジェライスから36チーム328人が出場し、ジュニオル、マスター、ミリン、自由、大太鼓の5部門に分かれて日頃の練習の成果を競った。会場は、応援に駆けつけた親族や友人ら約1200人で満席、終日熱気あふれる中、太鼓の音と歓声が響きわたった。今年も涙、涙の表彰式では、昨年二位で惜しくも優勝を逃したコロニア・ピニャールの飛翔太鼓がジュニオル部門の優勝を勝ち取った。同チームにはトロフィーと、来年3月に福島県郡山市で行われる全国大会への出場権が贈られた。

 今年のジュニオル部門(18歳以下)の課題曲は、JICAシニアボランティアの太鼓指導員で、同大会の審査委員長を務める箕輪敏泰さんが作曲した「よみがえれ、日本」。計17チームが出場し、大津波の被害を乗り越える日本を表現した。約3年ぶりに龍鳴和太鼓(アラサツーバ)が姿を見せたほか、サンパウロ州パリェレイロス市のNPO法人「Futurong」による非日系チーム、昨年同協会に加盟した竜火太鼓(リンス)、清心太鼓(ドラセナ)、いきおい太鼓(タボン・ダ・セーラ)が初出場した。
 「ジュニオル部門と一緒では差がつきすぎる」と、今年設けられたミリン部門には6チームが出場、最若手ながらも懸命に迫力の演技を見せ付けた。大太鼓部門も、皮が破れんばかりの圧巻の独奏で会場を盛り上げた。
 大会は予定通りに進行し、午後5時前には表彰式に。箕輪審査委員長はスムーズな進行と、心を込めて演奏したチームが多かったことを挙げ、「今までで一番素晴らしい大会だった」と講評。ジュニオル部門の優勝チーム、飛翔太鼓については「曲想と演奏がよく合っていた。想いが演奏に表れた、いい表現だった」と称賛した。
 同チームのリーダー、ロブソン・タカオ・モリ・イチカワさん(17、三世)は、「1年間、週に4回も5回も練習してきた。言葉にならないくらい嬉しい」と喜びを語り、舞台で仲間と肩を組み合って喜んだ。
 また、2008年の百周年記念式典で千人太鼓のリーダーをつとめ、今回久しぶりに大会に出場したクラリセ・ミエ・タナベさん(いきおい太鼓)には、特別賞として箕輪さん手製のバチが贈られた。
 大会結果は次の通り(3位まで、順位順に)
【ジュニオル部門】飛翔太鼓(コロニア・ピニャール)、光太鼓(ブラジリア)、初美太鼓(サン・ジョゼ・ド・リオ・プレット)【マスター部門】光嵐太鼓(スザノ)、瑞穂和太鼓(サン・ベルナルド・ド・カンポ)【ミリン部門】源流太鼓(カッポン・ボニート)、光嵐太鼓、飛翔太鼓【自由部門】一心太鼓(ロンドリーナ)、天龍和太鼓(サンミゲル・パウリスタ)、源流太鼓【大太鼓】レナト・ユージ・オカモト(タボン・ダ・セーラ)、マテウス・ケンジ・サトウ(ロンドリーナ)、ラファエル・エイジ・シマダ(サンミゲル・パウリスタ)【特別賞】クラリセ・ミエ・タナベ(タボン・ダ・セーラ)