コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2013年8月20日

 「同じブラジル人として、恥ずかしいね」。コラム子が通う大学の友人は、焼津市の母子3人殺害事件のネーベス容疑者が捕まったというニュースを聞いて、そうコメントした。
 15、16日にかけ、多くの当地メディアは「日本警察が最も捜していた男が捕まった」との見出しで大きく報じた。「そんな話があるとは知らなかった。まだ他にもそういう犯罪者はいるの? 本当に日本に強制送還されないの?」と彼は興味を示していた。
 先日、一審判決が出た湖西市の件は自動車事故だったせいか、当地メディアはほぼ扱わなかった。今回の事件に当地の人が注目しているのは、その残虐さからだろう。
 最初の公判の映像を観たが、「証言はしたくない」とふてぶてしい態度で出廷していた被告の姿には憤りを感じる。亡くなった被害者の元夫の魂を少しでも慰撫するような、重い判決が出ることを祈る。(詩)