「三重の商品をブラジルで」=地元産食品、化粧品PR=企業3社が魅力を紹介

ニッケイ新聞 2013年8月23日

 【既報関連】サンパウロ州との姉妹提携40周年、県人移住百周年、県人会創立70周年を迎えた今年、三重県の行政、経済、民間からなる「オール三重」訪問団約60人が17日から21日頃まで滞在し、総合的に県のプロモーションを行った中、一連のイベントの一環として、三重県の食品と化粧品のPRイベントが21日、サンパウロ市リベルダーデ区の日本食店エスパッソ和で行われた。
 同店1階のレストランフロアに設けられた特設会場には約60人が集まり、熱心に説明に耳を傾けた。
 担当したのは鈴鹿市を拠点に外国人の生活支援など行うNPO団体愛伝舎。「ブラジルビジネスの推進と社会づくり」を目指した、地元企業との連携プロジェクト「MIEBRAS」を企画した。県内企業のブラジルでの市場開拓をサポートし、得られた収益の一部を、県内に住む外国人の教育支援などに用い、若い世代の日本社会への進出につなげることが目的だ。
 当日はMIEBRASへの協賛企業「辻製油株式会社」(松阪市)、「ミナミ産業」(四日市市)、「清水醸造株式会社」(鈴鹿市)が自社商品を持ち込み、スライドを用いて説明した。
 豆腐に関する幅広いビジネスを手がけるミナミ産業の南川勤社長が紹介したのは、即席豆腐を作れるセット。「萬来鍋」という小ぶりの鍋に、専用の豆乳とにがりを入れ、約10分火にかけるだけで本格豆腐ができるというものだ。会場では作りたての豆腐が振舞われ、関心を集めた。
 天然素材の総合食品メーカー辻製油は、同社の支援で開発された美容液(トウモロコシ由来の美成分セラミドの原液を使用)、粉末唐辛子、柚子、醤油の薬味セットを紹介した。大豆レシチンの精製、研究開発を行い、原料の大豆の約半数をブラジルから輸入しているため、辻保彦社長(70)は約30年前からブラジルに足を運ぶ。経済ミッションの一員としての参加は2回目だ。
 「美容液は美肌効果が高い。女性の目が光っていました」と笑い、薬味セットについては「ゆずへの反響が大きい。ブラジルにはないので、これは売れると思う」と期待をあらわにした。
 辻氏は、愛伝舎が行う外国籍の子弟を対象にした奨学金プログラム「夢の懸け橋奨学金」のスポンサーでもある。MIEBRASへの参加について、「坂本さんの熱意で、ぜひ協力したいと思った。外国人の立場はまだまだ日本では厳しいもの。子供の教育は一番大事」と、趣旨に賛同した理由を語った。