南青協9期生=渡伯半世紀祝い式典開く=40人が絆確かめ合う

ニッケイ新聞 2013年8月29日

 南米産業開発青年隊(早川量通会長、以下南青協)は17日、ミナス州アグア・リンドイア市のホテル・グアラニーで、9期生の着伯50周年記念式典を行った。40人が出席し、久々の再会を喜び合った。
 南青協は1956年に始まった制度で、日本の青年に当地の訓練所(パラナ州内セーラ・ドス・ドゥラードス訓練所)で農業や土木建設技術の基礎を学ばせ、ブラジル開発に携わらせた。計326人が渡伯した。
 9期生は1963年、訓練所閉所前に渡伯した31人。開拓や農業に明け暮れた8期生までと異なり、言語や歴史、ブラジル事情の習得に重点が置かれた。国家的事業のイタイプーダム建設に携わった荒木昭二郎、片岡高一さんらがいる。
 式典に続く祝賀会で、早川会長(70、8期生)は「50年間、ブラジル発展の為に力を出し切って来られた姿に敬意を表する。これぞ青年隊の精神」と祝辞を述べ、9期生の出席者9人にメダルと表彰状を授与した。
 古典音楽の師範である斉藤重雄さん(76、6期生)は、妻のスミエ(74)さんと「春の海」などを演奏し、「我々の代で終わらせず、何とか二、三世に活動を繋げよう」と熱く語った。また、南青協だった夫の死去後も会に参加を続けている菊池敏江、磯中晴子両夫人、ブラジリア在住の吉田茂治さん(73、7期生)もはるばる駆けつけ、祝福した。
 数少ない当地の大学卒業者、リオでオランダ系造船会社に勤務した貝田定夫(75)さんが9期生を代表し、「先輩達の苦労の上に私達の今日がある。今後も謙虚に日伯の架け橋の一員として頑張りたい」と力強い謝辞を行った。
 一行は晩遅くまで語り合い、翌日も訓練所での想い出話に花を咲かせながら、寝食を共にした絆を確かめ合った。
 来年は、同訓練所閉鎖後に渡伯した10期生の50周年記念式典が開催される。