バステンセの結束、永遠に=第1回親睦大会に560人=久々の再会に笑顔あふれ=最高齢95歳、故郷からも

ニッケイ新聞 2013年9月25日

 バストス出身者や同市在住者を中心とした『第1回バストス慈善文化親睦大会』が21日午前9時から、サンパウロ軍人協会で盛大に行われた。サンパウロ在住者、故郷バストスから駆けつけた約560人が、旧友や知人、親族らとの思いがけない再会を喜んだ。抱擁し合い、笑顔で思い出を語りあう場面が多く見られた。

 昨年実行委員会が立ち上がり、毎月会議を行なってきた。渡部一誠実行委員長は冒頭、「バストス在住、出身者だけでなく、サンパウロに暮らす関係者や家族の皆が出会う場所にしたい。バストスの新しい歴史の1ページに」とあいさつ、先没者への黙とう、鏡割りで開会した。
 「サンパウロ市内に住む兄弟に会うのが楽しみ。バスで10時間かけて来ました」と豊島絢子さん(74、二世)は笑顔で話し、「親戚に10年ぶりに会う」という田村初ヱさん(73、二世)も喜びで声を弾ませた。
 バストスを離れ、半世紀も会っていない旧友との再会の場面があちこちで見られ、学校での思い出など当時の話に花を咲かせた。
 サンパウロ市在住の佐居勝次さん(74、二世)は当時の写真を手に友人らと昔を懐かしみ、「これは45年前に全伯少年野球大会で優勝した時の集合写真と記念パレードの写真。みんなと毎日、野球していた頃が懐かしい。野球しかやることがなかったけどね」と笑い、「昔は9割日系、残りの1割がブラジル人。今は逆だね」と街の変化を話した。
 自慢ののどを披露した演歌や歌謡曲でも盛り上がり、バストス婦人会による傘踊りや、和太鼓などの出し物が行われた。 日本舞踊を披露したサンパウロ市在住の京野マリさん(67、二世)は「久しぶりに会った友人や知り合いを前に緊張した」と話しながらも充実の表情を見せていた。
 85歳以上の高齢者には表彰が行われ、童謡「ひな祭り」が流れるなか、18人の高齢者に賞状と記念碑が手渡された。
 最高齢の大野初美さん(95、二世)は85歳までバストス、今はサンパウロ市在住。「賞状だけでなく記念の盾ももらえ嬉しい」と喜んだ。
 大野さんと暮らす娘の恵美さん(60、三世)は実行委員を務めた。開催にあたって「当初は不安が大きかった」と明かす。「高齢や遠方を理由に参加希望者は少なかったが、賛同者が増え、用意した席が全て埋まった」と胸を撫で下ろしていた。