協会、地元校、企業が一体に=アマパー移住60周年祝う=今年から文化普及にも力

ニッケイ新聞 2013年9月27日

 アマパー日伯協会(柴山満義代表)は14日、州都マカパー市のインタージェニウス校(横野玲子校長)で『アマパー移住60周年記念祭』を開いた。沼田行雄・在ベレン総領事、汎アマゾニア日伯協会の加藤マリオ会計、AMCEL社(サンタナ市、日本製紙グループ子会社)の秋山正行社長ら来賓や日系家族など約170人が出席し、節目の年を祝った。同協会は、今回の節目を機に、和太鼓グループを結成するなど日本文化普及にも乗り出した。記念事業の一環として記念祭後、同校および地域住民に琴、和太鼓のショーや日本文化紹介イベントも実施し、好評を博した。

 1953年、同州マタピー市に24家族、ファゼンジーニャ市に5家族が入植したのが始まり。翌年第2陣として2市に21家族、57年に第3陣としてマザガン市に7家族が入植した。
 ゴム栽培を目的に入植した移住者らは、年数や経費がかかるため生活困難に陥り、大半は他の町へ移ったという。現在の日系家族数は100余り。
 式典は、通訳兼司会の吉留ファチマさんの挨拶でスタート。都合により欠席した柴山代表の代理として尾形慎也監査が挨拶に立ち、同地の移住史を紹介すると共に、「日本人や日系人は農業だけではなく医師、弁護士、警察官、技師など色々な分野で活躍している。我々を受け入れてくれたブラジル国に感謝」と述べた。
 祝賀会では、初めに第1陣移住者の目黒喜代子さん(89)に沼田総領事から花束が贈呈された。尾形監査の乾杯の音頭で会食が始まると、会場は余興や歓談で賑わった。
 サンパウロ市からはブラジル太鼓協会とJICAシニアボランティアの太鼓指導者・蓑輪敏泰さんが駆けつけ会場を盛り上げた。ベレン市のシニアボランティア・山田裕子さんも琴を演奏、同校で働くJICAボランティアの谷田(やつだ)なつ美さんらはYOSAKOIソーランを踊り、舞台に華を添えた。
 また同協会は12日、記念事業の一環とし、JICAボランティアの協力を得て同校で琴と和太鼓ショーを実施。15日には地域住民を対象にショー、浴衣の着付け、書道、折り紙、琴、和太鼓のワークショップを行った。
 同協会の運営にも携わる横野校長(65、兵庫)は「初めて琴を聴いた子どもたちは感動していた。地元のテレビでも取り上げられ、話題になった」と嬉しそうに語った。