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ロ・ノリオ学校20周年=祝賀夕食会に笑顔あふれ

ニッケイ新聞 2013年11月29日

写真=20周年を祝うケーキの前で記念撮影










 ロベルト・ノリオ学校(山内和子校長)が創立20周年の節目を迎えるにあたり、卒業生らの発案によって同校で8日に夕食会が行われた。第1期生から現役の生徒、父兄、教師ら約60人が集まり、賑やかに宴が開催された。また山内校長の母である池森敏子さんの100歳を祝う誕生会ともなった。
 20年前に入学した1期生は全5人。今回は4人がお祝いに駆け付けた。浜崎勇樹さん(28、三世)、高山毅士さん(同、二世)は、自由でのんびりした雰囲気が大好きだったと振り返り、「でも4年生では先生が厳しくて。休み時間を削ってでも本を読め、勉強しろと言われたことは今でも記憶に残っている。ただ大人になった今思えば、それがすごく大きな財産になった」と笑みをこぼした。
 代わる代わるマイクを手にした参加者が、同学園への感謝、みんなの「おばあちゃん」である敏子さんとの思い出話を重ね、「学校に入りたくないと門にしがみついていたら、おばあちゃんに校内へ引っ張られた」「トイレでお尻を拭いてもらった」などのおどけたあいさつに、会場は笑いであふれた。
 教頭として12年間勤務した白鳥明子さん(65、三世)は、「もったいないという言葉で、無駄をなくし再利用する考え方を定着させたのは敏子さん」と感謝を示し、「また生徒は謙虚さを学び、ここでの教育は人間形成に大いに影響力を持っていた」と誇った。
 1期生の父兄からは、「ブラジルの学校教育で全日制は珍しいし、日本語の授業もあった。学費の高さも合わせ、20年前はここまで続くとは思わなかった」といった声も。
 ただ、「卒業後の進路が示す通り、みんな立派な大人になっている。今では定数を上回る入学希望者が多いのも納得だ」と話した。
 夕食会の終盤には、「皆で片づけるよー」という呼びかけも。人間関係を大切にするブラジルと、真面目な日本人らしさが融合した学校教育の成果が確認された機会となった。

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