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ニッケイ法律相談=その40=回答者 古賀アデマール弁護士

ニッケイ新聞 2013年12月3日

 質問=ある84歳の女性が犯罪を犯しました。私は被害者ですが、普通だと数年の刑になるはずですが、その女性は「自分は高齢だから刑務所には入ることはない」と言っています。本当でしょうか。
 回答=
年齢は関係ありません。民法も刑法も、未成年者以外の全ての年齢の成人に適用されます。ただし、どの程度判断力があるかが、刑の量定で考慮に入れられることはあります。
   ◎   ◎
 質問=もともと日本国籍で、ブラジルに帰化しました。しかし、これを取り消したいと思います。どうすればよいでしょうか。
 回答=
一度帰化したら、ブラジルで生まれたブラジル人と同じ権利と義務を有することになり、それを取り消すということはできません。
 ですから、もう一度日本に帰化すればいいのではないでしょうか。日本の法律に従う必要があり、いくつか条件があると思うのでそれを調べてみるといいと思います。
    ◎   ◎
 質問=ある人に借金をしていますが、返済ができていない状態です。あるとき、友人から「借金をしているのに返していないと聞いたが、本当か」と言われ、恥ずかしい思いをしました。どうやら、貸主が私の親戚や友人、知人などに、私が返済していないことを言いふらしているようです。侮辱を受けていると思うのですが、これは名誉毀損(difamacao)にはあたらないのでしょうか。
 回答=
貸主がそういう行為をしたと証言してくれる人がひとりでもいれば、裁判にすることができます。この場合では名誉毀損というより、desmoralizacao(道徳や名誉を傷つける)、ridicularizacao(評判を落とす、恥さらしにする)という罪になります。刑事的には最低3カ月から1年の懲役、民事では罰金の支払いとなります。
 お金を返済されないからといって、貸主は借主の名誉を傷つけるような行為をしてはいけないと決まっています。自分の家族や友人知人などに漏らしてしまうことはよくあると思いますが、そのことが借主にばれ、訴えられてしまえば有罪となる可能性があるのです。

質問の送り先はEメール(ademarkoga@gmail.com)、FAX(11・3208・0733)、手紙(「ニッケイ法律相談」係、Rua Galvao Bueno, 470, 1o. andar, Liberdade, Sao Paulo, SP CEP 01506-000)まで。質問は日本語でもポ語でも可、ただしメールの場合はポ語のみ。質問内容をできるだけ明確にしてお寄せください。

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